Tropical Night 〜4〜


「ユウキ、起きろ。9時だぞ。」

んー眠い・・・・・腰が痛い・・・・まだ寝る・・・・。

「ユウキ、起きろよ。準備しないと。」

体を揺すり起される。しょうがなく上半身を起した。

「シャワー浴びるから来いよ。」

僕はのそのそとベッドから降り、バスルームへ向った。今日帰るのか。いやだな。もっとここに居たいのに。昨日は『最後の夜だから』と、SEXもたくさんしたけど、話もたくさんした。いつか一緒に行きたい場所とか一緒にしたいこととか。とりあえず今日は朝日を見ながらビーチを歩きたいって言ったのに・・・

「どうして起してくれなかったの!?」
「なんだよ。急に。動くなよ。シャンプー目に入るぞ。」
「ビーチで日の出を見たいって言ったのに、どうして起してくれなかったの?」
「お前爆睡してただろ?それに日の出って・・・」
「もうっ!信じられない!」

起してくれたっていいじゃないか。ビーチを歩きながら朝日を見るなんて、日本じゃそうそうできないぞ。大体この人は夢がないっていうか・・・なんなんだよ!

「ユウキ、怒ってるとこ悪いけど、ここって西側なんだよ。」
「・・・・・・」
「太陽はどっちから昇るんだよ?」
「・・・・・あ」

そうだった。ここは島の西側だから、海からの日の出は見ることができない。かかなくていい恥をかいてしまった。じゃあ、昨日夕日は見ることができたのでは!?・・・・でもしょうがないか。昨日の夕方はここでSEXに没頭してたし。

「髪、洗えたぞ。まだ怒ってるのか?」
「・・・・ごめんなさい・・・・怒ってない。」
「また来ようって言ったろ?これが最後じゃないだろ?」
「うん。もちろん。他にもたくさんいろんなところに行きたい。」
「一緒に行こうな。」
「うん!」

シャワーから流れるお湯が彼の肩から胸を伝って流れ落ちるのを見つめる。ふと思う。このたくましい肩も胸も、引き締まった腹筋、筋肉質の足。この全てが僕のものなのだと、自惚れてもよいのだろうか。低い声も優しい目も、僕だけを見てくれている。

僕は彼の頬に触れた。彼はその手を彼の唇に持っていきキスをする。そして手首から肘、腕に唇を這わせ、今は僕の胸に唇を這わしている。僕は壁に寄りかかり目を瞑る。彼の舌は両方の乳首を勃たせると、腹を伝ってペニスへ向かう。彼の熱い口の中に含まれ、僕のペニスはムクムクと膨張を始める。

「ねぇ・・・時間大丈夫かな?」
「いいから、そんなの。」

そんなのって言っても・・・待ち合わせに遅れるのはどうかな。と思っても、彼の口の中で僕のペニスは完全に勃ちあがり、彼の頬を内側からつつく。彼の舌に攻められ、足に力が入らなくなってきた。

「んっ・・・はぁっ・・・・青山さんの・・・・口の中・・・・あつい・・・」
「気持ちいいだろ?」
「気持ちいい・・・・」

舌先で亀頭を嘗め回し、皮の間にまで舌が入り込む。強く吸われると同時に陰嚢ももまれ、あまりの気持ちよさに何がなんだかわからなくなる。

「後ろ向いて。」

シャワーを止め、僕を壁側に向かせ、手をつかせて腰を突き出させる。ああ、彼が入ってくるのだと思うと、僕のアナルがヒクヒクと痙攣する。彼はゆっくりと指を挿入した。朝まで何度も彼を受け入れていたそこは、簡単に彼の指を飲みこんだ。かすかな痛みを感じながらも、これから与えられるであろう快感を期待し、そこは収縮を繰り返す。と、そのとき、体の奥から、昨夜彼が放ったものが流れ出ようとしているのを感じた。

「あ・・・昨日のが・・・・」
「でそう?」

彼は指を増やして僕のアナルを広げ、その下に彼のペニスをあてがった。すぐに彼の精液が指を伝って流れてくる。昨夜といっても数時間前のものだ。そう考えると生々しい。彼は流れ出た精液を自らのペニスに塗っているのであろう、ヌチャヌチャとした音がいやらしい。

彼のペニスが僕のアナルに当てられた。ああ、入ってくる。僕は力を抜いた。彼はペニスを僕のアナルの上で往復させると、ぐっと腰に力を入れ、僕の中に亀頭を押しこんだ。昨夜何度も侵入し、僕の直腸を刺激したそれを再び迎え入れ、アナルもペニスも快感に戦慄く。更に深く挿入される。

「っふぁっ・・・ああーーっ・・・」

彼のペニスが僕の体に割って入る。体内で彼の形を感じる。熱い・・・。僕は自らのペニスを握り、アナルに力を入れる。そして、彼の抽送が始まる。最初はゆっくり。ギリギリまで抜き、一気に奥まで挿入する。そして小刻みに一点を突く。

「ここ・・・感じるだろ?」

唇を噛んで快感に耐える。いつもそこを攻められる。最も弱いポイントを。あぁ、だめだ。力が抜ける。

「う・・・んッ・・」
「どう感じる?教えて?」
「わからない・・・・けどッ・・・きもちイイ・・・あたってるぅ・・・あぁぁん・・・」
「何があたってる?」
「あおやまさんのが・・・」
「俺のなに?どこにあたってる?」
「あぁぁぁん・・あぁッ・・・青山さんのぉ・・・おちんち・・・ん・・・が・・・僕の・・あぅっ・・・」

と、そのとき、部屋から携帯が鳴っているのが聞こえた。

「携帯鳴ってる。」
「ん、放っておけ。」
「うん、今日は出ないで。」

彼は腰を掴み、動きを速めた。僕もペニスを扱く手を速め、二人とも射精に向けて神経を集中した。バスルームには僕の声と結合部のぶつかる音が響く。僕の中で彼のペニスが更に硬さを増し、はちきれそうになっているのを感じる。僕ももう限界だ。

「あん・・・ぼく・・・・イきそう・・・・気持ちよすぎ・・・・あぁっ・・・もうっ・・・・」
「一緒に達こう。俺もお前の中に・・・っ・・」
「あぁっ・・・あぁっ・・・あぁーっ・・・でる・・・・」

彼が僕の中で弾け、何度も何度もビュクビュクと吐き出している。彼の射精が終わるまで僕はアナルを収縮させ、彼を感じた。



彼に体の中まで洗ってもらい、バスルームから出ると10時半過ぎていた。まずい。待ち合わせは10時だったよね、確か。彼が携帯の留守電を聞いている。

「藤本から。11時にロビーだってさ。」
「そう、待たせちゃうね。謝らないと。」
「謝る必要ないよ。」
「どうして?」
「お前の声聞いて、奴らも始めたらしいから。」
「僕の声?・・・隣に聞こえてたの!?」
「遅いから呼びに来たら声がして・・・・って言ってたよ。」

聞かれたんだ。まさにしている最中の声を!もうやだ!恥ずかしい。っていうか、呼びに来てってことは、あのドアが開いてたってことだよね。昨日鍵を閉めなかったのか?一緒に帰るのに、この後どんな顔して会えばいいんだ?はずかしい。

「早く服着ろよ。荷物詰めるから。」

彼はまったく気にしていないようだ。


ロビーには僕たちのほうが先に着いた。物音がしたからまだ部屋にいると分かったし、隣に声をかけてもよかったんだけど、なんとなく顔をあわせ辛くて。ノックをしようとする彼を引っ張って先に降りてきちゃった。荷物を預けて彼はチェックアウトすると言ってフロントへ向った。僕はソファに座って待っていると、しばらくして二人が降りてきた。藤本さんがフロントへ向かい、僕も京介さんを手伝って荷物をクロークへ預けた。

「待たせてごめんね。」
「いえ・・・」

顔をあわせられない。僕たちがSEXしてたのを知ってるんだよね。でも彼らがしてたのを僕たちが知ってるのも知ってるわけで・・・なんだかわけがわからなくなってきた。

「あの・・・・僕たちの方こそ・・・・本当は10時に待ち合わせだったのに・・・」
「ああ、気にしてないよ。結局僕たちの方が遅かったし。あ、もう11時半だ。すごく待たせちゃったね。」
「いえ・・・あの・・・・部屋に呼びに来たって・・・」
「ああ、彼がね。僕はやめろって言ったんだけど。」
「そうですか。」
「でも・・・二人がシャワールームでしてるって言うから。ごめんね、覗きに行っちゃった。」
「えっ・・・京介さんも?」
「うん、やっぱり他人のHって興味あるし。しばらく見てたらなんとなくその気になっちゃって。」
「見たんですか?」
「ちょっとね。それで、部屋に戻って彼を押し倒しちゃった。」
「京介さんが?」
「そう、無理やり襲ったって感じ?でも彼も興奮してたみたいだし。きみの声で。」
「そんなっ・・・でも・・・京介さんが藤本さんを押し倒すなんて・・・」
「よくするよ。きみはしないの?」
「僕・・・ですか?僕からは・・・」
「なぜ?抱いて欲しいときってあるだろ?」
「抱いて欲しいとき・・・」
「求めないの?当然のことだと思うけど。」

大抵青山さんから求めてきてた。途中で入れて欲しいとせがむことはあったけど、僕から抱いて欲しいなんて言ったことがあっただろうか?最初の頃、彼の気持ちがわからなかった頃に、必死になって彼を受け入れようとして、彼に一生懸命迫ってたことがあったっけ。だけど、いつの間にか、なんとなく一歩引いてたかもしれない。SEXだけじゃなくて、彼に本心をぶつけることに臆病になっていた気がする。彼は年齢差とか過去とか、お金のことも気にしないでって言ってくれた。でも僕は常に意識していた。無理して大人ぶろうとしてたし。

「待たせたな。さっ、買い物いこうぜ。」

藤本さんと京介さんが並んで歩く。その後を僕たちがついていく。あの二人は本当にお似合いだ。

「ユウキ、どうした?」
「うん、あの二人、お似合いだなって思って。」
「あいつら?最初の頃はいろいろあったんだぞ。でも今はいい感じだよな。」
「そうなんだ。いろいろって?」
「さあな、それは俺が言うことじゃないから。それより、さっき京介となに話してたんだ?」
「さあね、秘密。」
「なんだよ。秘密はなしだろ。」
「買い物って、なに買うの?」
「いろいろ。お前、なんか欲しいものないか?何でも買ってやるぞ。」
「・・・・・」
「遠慮はなしだろ?」
「うん、あのね、おそろいのものが欲しいな。」
「なんだよ。女の子みたいだな。」
「だめ?」
「いいよ、俺ちょうど時計買おうと思ってたから、おそろいにするか?」
「時計?」
「ヴィトンのタンブールダイヴィングのピンクゴールド。あの文字盤のマリンブルーがきれいだよな。」
「そんなんじゃなくて・・・・」
「ん?まさかアクセサリーとか言う?俺一応サラリーマンだからなぁ。でもまあ、ネックレスとか外から見えないものならいいか。」
「ちがう、あのね、Tシャツが欲しいんだ。」
「Tシャツ!?」
「うん。おそろいの。」
「Tシャツ・・・・マジかよ?」
「・・・・色違いのでもいいんだけど・・・」
「・・・わかったよ。その代わり、部屋着だぞ。外には絶対着ていかないぞ。」

藤本さんと京介さんに冷やかされながら、僕たちはおそろいのTシャツと時計を買った。サイズの違う同じ色のTシャツを2枚。初めて彼にねだって買ってもらった物。これも僕の宝物だ。



「もうすぐ飛行機出ちゃうね。」
「そうだな。怖くないか?」
「大丈夫。2回目だし。」
「そうか。寝れたら寝とけよ。明日学校だろ。」
「うん。青山さん・・・・今回はいろいろありがとう。」
「なんだよ、改まって。」
「旅行に連れてきてもらって、お土産も買ってもらって、それにあんなに高い時計も。」
「遠慮はなしだろ?」
「うん、でも本当にありがとう。僕ね、本当にうれしかったんだ。」
「喜んでくれればいいよ。」
「すごくうれしかった。楽しかったし。」
「また来ような。今度は海潜ったり、パラセイリングしたり、いろんなことしような。」
「そうだね。」
「今回は買い物がてら、Hしに来たみたいだしな。」

そうなんだ。どこにも観光なんて行かず、ひたすらHしてた気がする。でも、いいか。今とっても幸せな気持ちだから。僕は彼の肩に寄りかかり、目を閉じた。彼の肩から彼の体温を感じる。彼の手を捜し、今度は僕の方から手を繋いだ。ブランケットの上で。


「あれ?ユウキくん寝ちゃったのか?」
「ああ。明日学校だし、寝といた方がいいだろ。」
「お前が疲れさせたんだろ?」
「なんとでも言えよ。」
「可愛いよなぁ。唇半開きだぜ。そそるよなぁ。」
「寝顔見るなよ!席に戻れよ。」
「京介も寝ちゃって、つまらないんだよ。それにしても、このコ、あの頃と変わったよなぁ。」
「俺の努力の成果だ。」
「あの頃は硬かったよな。体も表情も。アソコも・・・」
「お前ッ・・・忘れろよ。それに、そのことユウキの前で口にするなよ。」
「しないよ。京介に怒られちまう。どうやら気に入ったみたいだし。」
「京介も?・・・もうお前の店にコイツ連れて行かないからな。」
「そう言うなって。弟みたいなものだろ。」
「いいか、絶対手出すなよ?それからあのことも忘れろ。」
「ハイハイ。お前、本気なんだなぁ。」
「とりあえずな。」
「結婚でもする気かよ?似合わないぜ。」
「そこまで考えてないよ。っていうか、できるかよ。」
「それにしてもエロかったよな。白い肌全身に真っ赤なキスマークが・・・」
「もういいから席に帰れ!」
「なんだよ。俺たちが風呂覗いてたの気付いてたろ。目が合ったじゃないか。」
「・・・それもユウキに言うなよ。」


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