Gift 〜2〜

青山さんのマンションからだと、藤本さんのお店までは20分ぐらいだ。あっという間に着くだろう。だけど、僕は僕の中のモノが気になってしょうがない。車の揺れに合わせて僕の中で動いている。彼は時折僕の顔を覗いてはニヤニヤしてる。まったく頭にくるな。

駐車場には他に車が停まっていなかった。まだ6時すぎだもんな。

「着いたぞ。」
「わかってるよ。」
「降りられるか?」
「降りれるよ。」

半ば意地を張ってドアを開けたものの、降りようと体の向きを変えただけで、体の中でまた動く。最初は気持ち悪かったその動きも、なんとなく気持ちのよい感覚に変わりつつあった。

「いらっしゃいませ。青山様、お待ちしておりました。どうぞこちらへ。」

この前来たときと変わらない。雰囲気の良い店だ。席に案内され、ワインリストを差し出された。

「僕はウーロン茶をお願いします。」
「え?飲まないの?」
「未成年ですから。」
「わかってるよ。二度と飲まさない。ウーロン茶2つ。」

どういう意味?飲む気もないけど。

「かしこまりました。少々お待ちください。藤本を呼んで参ります。」

来ちゃうのか。顔合わせ辛いな。黙って下を向いていると、青山さんが肩をポンとたたいた。顔を上げ、口を開こうとしたとき、飲み物を持って藤本さんが現れた。相変わらず陽に焼けている。

「青山、久しぶり。」
「久しぶりだな。」
「ゆうきくんも。久しぶりだね。」
「こんにちは。」

にっこり笑う藤本さん。僕はとても笑い返すことができず、目を伏せてしまった。藤本さんは何事もなかったかのように、飲み物を置くとまた厨房に戻り、しばらくすると肉を持って戻ってきた。

「今日は良いフォアグラが入ってるから、これをソテーにして。あと今日の近江牛もいいぞ。ホラ。」
「任せるよ。」

藤本さんは笑いながら彼と話し、手もテキパキと動かした。相変わらず会話に入れない。僕は運ばれてきたサラダを少し口にしたが、少しでも何かが入ると、その分中のアレが押される気がしてとても食べられない。それに、圧迫感がなんとなく不思議な感じがして、今では自分で足を組んでみたり、少し体の向きを変えてみたりして、この感覚がなんなのかを確かめようとしていた。
運ばれてきた肉もあまり食べることができずにいると、藤本さんが心配そうに聞いてきた?

「ゆうきくん、大丈夫?具合でも悪いの?」
「いえ、大丈夫です。ちょっと緊張しちゃって(?)」
「そうか、ゆうきくん・・・いやなことはいやだとちゃんと言うんだよ?こいつは俺以上のエロオヤジだからね。」

なるほど。やはり。

「ばかいうなよ、藤本。オマエほどじゃないぜ。」
「いやいや、オマエにはかなわないよ。だって・・・」

青山さんが藤本さんをきつくにらみつけると、藤本さんは黙ったが、ニヤニヤしながら青山さんのことを見ている。一体なんだろう?

「ゆうき、もう行こうか?藤本!勘定!」
「うん・・・」

藤本さんは「怖い怖い」なんていいながら、青山さんが預けたカードを持ってレジへ向かった。僕たちもその後を追うように、席を立った。

「はい、カード。毎度ありがとうございます。またのお越しを!」
「もうこねーよ!」

そんな青山さんの言葉なんて聞こえないように、藤本さんが僕に向かってまたもや言った。

「いいかい、ゆうきくん。ひどいことされそうになったら逃げるんだよ?何かあったら相談にのるからね。」

とても相談に乗るというような顔じゃない。ニヤニヤしながら青山さんの反応を楽しんでいる。青山さんはといえば、さっさと入り口のドアを開け、僕が行くのを待っている。

「あの・・・ご馳走様でした。残しちゃってゴメンナサイ。でもとても美味しかったです。じゃあまた・・・」

僕は会釈をすると、青山さんのもとへ向かった。すると、またもや体の中から変な感覚が。座っているときと違って、歩くと中のアレからの刺激が強い。青山さんは僕の肩を抱き寄せると、足早に車に向かう。店に隣接された駐車場だ。店の入り口から数十歩しかないのに、そんなに速く歩くと、中のアレが踊って足がもつれそうになる。

「あのっ・・・もっと・・ゆっくり歩いて・・」
「ん?ああ、悪い。」

車まで残り数歩のところでようやくスピードを落としてくれた。珍しく助手席のドアを開け、僕が座るのを待って、まだドアを閉めてくれた。運転席側に周り、ドアを開け乗り込む。彼が座った振動で、車が揺れ、それが僕の体を揺らす。が、お店から出て緊張がほぐれたのか、来たときほど感じない。なんとなく物足りなさを感じる。

ドアを閉めた青山さんが、不意に僕に顔を近づけた。僕を抱き寄せ、そのまま後頭部を押すように彼の顔に近づけ、いきなり激しいキスをした。そして、右手が僕の股間を包み、手を動かした。いきなりどうしたんだろう?キスに応えながらも、彼の肩を押した。苦しい。

「藤本が見てる。見せ付けてやろうぜ。」

一瞬唇を離しそう言うと、また激しいキスをしながら、僕の股間をまさぐった。周りは既に暗いので、道ゆく人からも、おそらくお店の中の藤本さんからも見えないはずだけど、でも、もしかして誰かに見られてるかもと思うとなんとなく興奮するものだ。Gパン越しとはいえ彼の手に包まれ、微妙な刺激を与えられている僕のそれもだんだんと硬くなっている。

「そんなに腰振るなよ。」

えっ?言われるまで気づかなかった。彼の手に股間を押しつけることが目的じゃない、自分自身の腰を動きに。

「中のアレ、気持ちいいんだろ?」
「気持ちよくなんかない・・・すごく気になるけど。」
「さっき、店で散々位置動かしてただろ?感じてたろ?」

気づかれてた・・・。でも感じてなんていない。気持ちいいのか悪いのか、確かめようとしてただけで。

「藤本も気づいてたぞ。」
「うそっ!」

だからあんなふうに言ったんだ。そうか、考えてみれば藤本さんもその道(?)のプロだ。気づくだろうな。

「すっごいエロイ顔してたぞ、オマエ。」

彼はまた僕の唇を吸い、胸元のボタンを外し首筋や胸元にも吸い付いた。右手は相変わらず僕の股間を弄り、腰に手を回したり、尻のほうを触ったりしている。完全に勃ちあがった僕のそれは、穿きなれないボクサーに圧迫されなくても、自身の腹にぴったりとくっついている。そして、今までにない動きをする僕の下半身。例えようのないむずがゆさ。例えようのないじれったさ。
ふと、腰の辺りの圧迫が緩んだかと思った瞬間、僕の中のアレ自体が振動を始めた。

「あぁッ!!」

思わず声をあげてしまった。ローターが動いてる。ヴヴヴ・・・とモーター音も聞こえる。みると、彼がコントローラーを手にしている。

「あっ・・・ヤメ・・テ・・・はぁッ・・・う・・ア・・ンァ・・」
「これ自分で持ってろよ。いまは一番弱くなってるから。気に入ったら中にしても強にしてもいいぞ。」
「やだっ・・・止めてェ・・・アァ・・・」
「止めたければ自分で止めろよ。自分で持ってるんだし。」

そう言うと、僕にシートベルトをして、彼は運転席に体を戻し、エンジンをかけた。「ちょっとドライブでも行くか。」そう言うと、マンションとは別の方向へ車を走らせた。僕の手の中には、彼が持たせたコントローラーがあり、そのコードは僕の体内に繋がっている。

そっそんなぁ!だって・・・だって、確かに気持ちいいし。でも車の中でこんなの・・・。あぁ、体の芯から熱くなる。心地よい刺激。車の振動も手伝って、快感が全身に流れる。足の指先まで気持ちがいい。自然に動く腰。ダメッ!このままじゃ・・・

「ど・・・しよう・・・がまん・・・できな・・・い・・はぁっ・・」
「どうしようか?車の中だしなぁ。家まで我慢しろよ。」
「あッ・・無理ぃ・・・だっ・・・て・・うぅ・・・もぉ・・・」

「ああ、3日分溜めたんだっけ。」

彼は運転しながら、左手を僕の股間に乗せた。顔は前を向いている。

「あーホントだ。もう爆発寸前だな。」
「クルマ・・・停めて・・おねが・・いぃ・・あッ・・も・・・でちゃ・・うよぉ・・」

彼の腕にすがり、半泣状態で頼んでも、彼の手は一向に動かないし、車のスピードも落ちない。

「だめ。このまま出せば?」
「えっ・・・やだ・・よぉ・・服着たまま・・なんて・・」

『服を着たまま』自分自身のその言葉に、更なる刺激が全身を襲った。爆発寸前の股間が一層膨らむ。その上に置かれた彼の手も、その膨張を感じたはずだ。だって、その後きゅっと掴んだもの。でも動かしてはくれない。僕は彼の腕を掴みながら、ぎゅっと目を閉じた。そして、体の中心から来る振動に神経を集中させた。もちろん、そんなことをしなくても、次に車が段差か何かを通り越して大きく振動すれば、何もしなくても噴出しそうな状態だった。でも、いつ来るかわからないそんなときを待っている余裕はなかった。僕は、ローターがいい位置に当たるように、自分で腰を動かしつつ、その快感を味わった。そのときはすぐに訪れる。

「あぁっ・・・もう・・・でちゃうぅ・・・どうし・・よぉ・・あん・・あぁ・・あおやまさ・・・ん・・あぁっ!あぁっ!はぁっっ!」

圧迫されたGパンの中で、しかもローターの振動だけで、僕は果ててしまった。4回、5回、何度も痙攣する。徐々に腹部が生暖かくなる。それまで僕の股間の上にあった手は、僕の動きが止まると更にぎゅぅっと全体を握り、そして手を離した。柔らかくなったそれは自身の精液にまみれているだろう。肩で息をする僕の額に汗がにじむ。

「すごいでただろ?」
「・・・・」
「すげービクビクしてたぞ。ビュッてでるのがわかるような。」
「やだっ!そんなこと・・・言わないでよ。」
「俺も興奮したから、遠出は中止な。」
「うん・・・帰る?」
「いや、東名乗るつもりでここまで来たから。たまにはああいトコもいいだろ?」

ちょうど信号停止したフロントガラス越しに映る風景の先には、派手なネオンのホテル街が見えた。青山さんと一緒にいることができるなら、別にどこでもかまわない。

「いいよ。どこでもいいから早く抱いてほしいんだ。青山さんのでもう一度イキたいよ。」
「そっか。」

軽くキスして、青になった信号に従い車を発車させた。

「そうだ、それ貸せよ。」
「なに?あ、これ?」

コントローラーを差し出すと、彼は前を見ながらチラチラコントローラーを見て、いきなりスイッチを動かした。

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